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こちらのブログではテキスト音楽「サクラ」とChatGPT(GPT-4)というAIを使ったプロンプト作曲というAI作曲についてご紹介しています。
こちらでガイドラインや楽曲制作のヒントになりそうなこと、主な対象者や将来への展望などを述べますので是非ご一読ください。
AI作曲(プロンプト作曲)について
テキスト音楽「サクラ」というフリーソフトとOpenAIのChatGPTというAIを使った作曲方法です。AI作曲はほかにもたくさん種類があり、Google社が出しているMagentaなどは本も出ています。
今回はそうしたAI作曲と区別する意味合いもあり、こちらのテキストベースの作曲手法をプロンプト作曲と名づけます。また新しい名称なども出てくると思いますが、いまの暫定的な呼び方です。こちらの方法では、特に難しいパソコン作曲用のソフトなどは必要ありません。必要なのはChatGPTの有料契約(こちらの方法では現在はGPT-4のバージョンが必須です)のみです。後はフリーのソフトなどを使い、作曲を進めることが可能です。
ガイドラインについて
プロンプト作曲のガイドラインについてです。こちらの作曲方法ではMML(Music Macro Language)と言われる手法を用います。テキストで「どれみ」と書くとそのまま音が鳴るという手法です。こちらの方法では「cde」と書くと先ほどと同じ意味になり、どちらの書き方でも曲を作ることが可能です。具体的なMMLの書き方はこちらをご参照ください。
こちらの作曲方法では、他の人のアイディアを引用しやすいというのがあります。特にひらがなで表記する方法を「ストトン表記」と言いますが、この方法であれば、音符などがわからなくても、浮かんだ楽曲を形にできるため、難しい音楽理論や楽譜の知識などは最低限で良いと感じます。
ですが、同時に、誰でも作れてしまうという反面、問題も出てくると感じています。
StableDiffusionなどのAIの画像生成では著作権の問題がだいぶ話題になりました。AIイラストの世界ではこれから法律などが整備されていくと思われますが、楽曲に関しても配慮が必要だろうと思われる場面がありますので、それについては留意したいです。
プロンプト作曲はほかの作曲方法と異なります。和歌の手法で「本歌取り」という手法がありますが、それを作曲に利用して、オリジナルの音楽に仕上げるということは人間の作曲であればクリエイティブだろうと判断します。これがAIだとどうでしょうか?人間の作曲とは少し状況が異なるように思います。
AIの場合の「本歌取り」はそのままトレースやパクりと考えられてしまうような場面が出てくると思います。大事なのは、著作権に配慮する、ということだと思いますので、例えばパブリックドメイン(著作権失効)でない楽曲をAI生成で使う場合は、慎重に作品を発表する必要があると思います。これは、聞き手のことや、AIで使わせていただく楽曲のオリジナルの作曲者のことを想像して考える必要があります。
まずは、自分が考えたモチーフでない場合は明確にMMLにその旨を記載されるのをおすすめします。「このメロディーはこの楽曲から引用しました」ということを明確に記す必要があるでしょう。ほかの人のメロディーを使わせていただいているのにあたかも自分が最初から作ったかのように振る舞うのは剽窃(ひょうせつ)にあたると思われます。
AIを使った楽曲生成の場合は、これから法律が変わる可能性がいくらでもありますが、現時点での私のプロンプト作曲に関するガイドラインということで、引用した場合はその楽曲を明確にMMLに書いておく、というのをおすすめいたします。
楽曲制作のヒント
こちらに楽曲の制作のヒントを書いておきます。AI作曲のキモになるのはずばり「メロディー」です。特に楽曲の一番最初に出てくるメロディー、これがプロンプト作曲の仕上がりを大きく左右します。
こちらのメロディーを考えるのにもいろんな手法があると思いますが、この部分だけはどうしても人間が考えなくてならない気がします。アイディアを出すためにチャットを駆使していろいろと聞いてみるのは良いと思いますが、それだけだと枯渇するだろうと思います。
私の意見ですが「音楽は誰か人と一緒にやるもの」というものがあります。ゲーム音楽の作曲家の植松伸夫さんがそういうことをよくおっしゃっていました。「良い音楽は人との関わりの中で生まれる」と私は思っていますので、外に出るのをおすすめいたします。
外に出て、ネットやSNSと違った刺激が脳に入ってくると、気分が変わって新しいメロディーが生まれやすくなります。アイディアに詰まった時はスケッチブックを持って公園などに出かけてみましょう。
本を読んだり、映画をみたり、また料理をしたりするのもいいかもしれません。特に料理は作曲と共通する要素が多分にあり、とても良い刺激になります。
プロンプト作曲の主な対象者
こちらのブログでご紹介しているAI作曲のプロンプト作曲の主な対象者やフリーゲームやインディーゲームなどの製作者さまが最初の対象者です。ほかにも、音楽理論はわからないけれど、曲が必要な小説家や漫画家、イラストレーターさんなども対象者として考えることができます。
プロンプト作曲は自分の「物語を楽曲にする」ということが得意です。ゲームであれば、フリー音源を使うのは忍びないが誰かに頼むのは予算的には難しいという場面もあると思います。かといって難しい音楽理論を学んでいる余裕もない。そんな時にプロンプト作曲は最適解になると思います。
DTMや作曲家、編曲家さまで、もう曲が書ける方であれば、あえてプロンプト作曲に手を出すメリットは少ないかもしれません。もうすでに自分で曲を作れる場合であれば、作品を残されると良いかなと思います。こちらの作曲法はおそらくもうできる人にとっては、業務の効率化+アルファくらいの要素にしかならないだろうと思いますので、過度な期待は禁物ですし、もう既に良いプラグインも製品化されていますので、そういったものを見てみられることを推奨いたします。
将来への展望
将来的にこちらのプロンプト作曲を統合失調症などの精神疾患の治療に応用できないかと考えております。
音楽療法の分野では「受動的音楽療法」と「能動的音楽療法」とがありますが、作曲はこのうち「能動的音楽療法」にあたると思います。
音楽に詳しくなってくと、そのうちにメロディーが自然と生まれ、それを形にしたいという欲求が生まれることがあると思います。そうしたことを形にして、次のステップへ、次の人生へ、という形で音楽をいかしていく方法を模索しています。
音楽理論や統合失調症などであればそもそもの疾患の特性などもあり、医学的な投薬治療の上で音楽療法は行われるべきだと思いますし、まずは精神医療であればお薬が重要でしょう。その上でAI技術を駆使し、音楽療法との組み合わせで、社会的復帰などにこちらの作曲法がいかせればと考えております。
まとめ
今後こちらの文章も読み直して変更を加える可能性がありますが、現時点の考えということでまとめさせていただきました。
またこちらのブログのほうで記事に詳しく書いていきますので、しばらくお待ちいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
2023年4月12日