8bitと16bitの違い(音楽)について

こんにちは。Sound Escapeのranaです。

普段は8bitな感じのフリー音源サイトを運営していますが、ネットを見ていると8bitと16bitの音楽的な違いについて知りたいというゲーム開発者さんの声を見かけました。

グラフィックならまだ見分けもつくかもしれませんが、音楽になると専門的な知識が必要かもしれないですね。16bitにグラフィックの仕様をあわせているのに、8bitの音楽を使うと何か違和感があるかもしれない、という危惧はあると思います。

今回はそんな8bitと16bitの音楽的な違いについて検討してみたいと思います。

8bitと16bitの違い(音楽)について

8bitと16bitの音楽の違いを聞き分けるコツはここにあります。

それはPCMを使っているかどうか、です。

PCMってなんのこっちゃって感じですよね。

説明するとPCMというのは以下の通りの定義になります。

パルス符号変調(パルスふごうへんちょう、PCM英語: pulse code modulation)とは音声などのアナログ信号を、アナログ-デジタル変換回路により、デジタル信号に変換(デジタイズ)する変調方式の一つである。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%AB%E3%82%B9%E7%AC%A6%E5%8F%B7%E5%A4%89%E8%AA%BF

これだけだとまだわからないと思いますが、要はサンプリング音源がメインに使われているかどうか、というが聞きわけるポイントになります。

8bit音楽はファミコンなどがそうですが、PSG音源というのが使われています。PSG音源というのはProgrammable Sound Generaterのことで、基本的には8bitのチップの上でマシン的に波形を合成させて音色を作りだす、という音源のことです。なのでファミコンでは、例えばリアルなトランペットの音を録音してサンプリングして流すことはできず、やることとしては8bitのチップの合成で波形を工夫して、トランペットっぽい音を作り出す、という音色になります。

PSG音源とPCM音源の一番の違いはサンプリングにありますね。

ファミコンにはDPCMと言って、PCM的な音源が一つ使えるチャンネルがあったりします。よく言われるようにここでは人の声をそのままファミコンから流すなどの使い方も可能です。

事実上なんでもできるチャンネルなのですが、そこまでの予算がサウンドに降りなかったため、あまり使われる機会がなかったようです。

16bit音楽のスーパーファミコンではADPCMが大活躍します。こちらもPCMの変換方式の一つですが、ほとんどがサンプリングを使った音源になりますから、かなりリッチです。

なので、簡単にまとめると8bit音源と16bit音源の違いはPCMがメインで使われているかどうか、ってことになるんですね。

簡単に判別する方法

次に8bit音源と16bit音源を見分ける方法についてです。

こちらは各ホビー機の同時発音数を意識するととてもわかりやすいです。

よく言われますが、ファミコンは3音となりますよね。

これは音程のある音が3音という意味です。

実際にはファミコンで扱える音は5音で、音程のある音が3音、ノイズが1音、DPCMのPCMチャンネルが1音の5個が最大同時に鳴らせます。

次にスーパーファミコンですが、こちらは例えばOPやEDなどで効果音が入らず、フルで全部使えるとして8音になります。なので通常は5音から6音くらいで音楽を作り、残りの2音3音で効果音を表現するというのが多かったようです。

混乱が生じるのは、いわゆるチップチューン的な音楽だとこうした同時発音数の制限がないことがあるということですね。

チップチューンでは拡張音源というものを使ったりします。

有名な拡張音源にKONAMIのVRC6という音源がありますが、こちらは3音がプラスできるので、実質スーパーファミコンくらいのスペックの音楽が作れる計算になるんですよね。実際は音色が違うのでスーパーファミコンとは同じ音にはなりませんが、チップチューンではよく使われる音です。

最近は、チップチューンでは3音の制約は守られているほうが珍しいくらいになってきています。結構遵守している人も多いのですが、かなり自由に拡張音源を盛りまくっている人もいて、それはそれで面白いなと思いますね。ちなみに、私は拡張音源は盛りまくった音源も好きで作ったりしています。

余談ですが、ファミコンのNSFの仕様に則って拡張音源を盛りまくって出せる音を全部だすと42チャンネルほど使えるようです。一回だけこれを満たす音楽を作ったことがありますが、とても大変でしたね。

オリジナル楽曲をファミコン音源で盛りまくってみた図

自分の音源で恐縮ですが、こちらの動画では最初の曲の音源にVRC6を使用、後の音源はAPUのみで作っています。

フリーサイトなどで音源を探される際はファミコン風と名乗っている場合は拡張音源も使っている可能性は高いので、やや16bitよりな音源と考えると良いかもしれませんね。

悩まれた際は

悩まれた際は是非私の運営しているフリー音源サイトSound Escapeをご覧ください。

https://www.soundescape.info/

特にVRC6などの拡張音源を使っている場合は記載もありますし、制作の際に使っているMMLも載せています。

また、ここまで読んでみたけれども違いがわからない!もっと本格的に誰かに曲を依頼したい!という場合は、私は直接依頼も承っておりますので、こちらをご参照ください。

https://www.soundescape.info/%e7%9b%b4%e6%8e%a5%e4%be%9d%e9%a0%bc

読者の皆さんの素敵な音楽との出会いに幸あれ。

それでは!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

1732179361